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中国の「輸出禁止・制限技術リスト」調整、専門家が内容を解説
        
2020-08-31 14:59 | 新華社

【新華社北京8月31日】中国商務部と科学技術部は28日、「輸出禁止・制限技術リスト」の調整を実施したと発表した。

2008年版のリストに基づき53の技術項目を調整した。従来の禁止・制限項目から9件を削除し、新たに制限項目23件を追加。技術項目21件で基準と技術パラメーターを変更した。

技術貿易法規が専門の中国対外経済貿易大学の崔凡(さい・はん)教授は「ネガティブリスト形式による技術輸出管理は、既に国際的な慣行になっている」と説明。中国は08年にリストを改訂して以降、12年で多くの分野の技術が飛躍的に発展したとし、一部の技術で禁止や制限を続ける意味がなくなった一方、幾つかの新技術で状況の変化と客観的需要に基づくリストの調整が必要になったと述べた。

商務部サービス貿易司の責任者は今回の調整について「技術輸出管理の規範化を図り、科学技術の進歩と対外経済技術協力を促進し、国の経済上の安全を守る」ことを目指していると説明した。

崔氏は「中国はいわゆる『デカップリング(切り離し)』に賛成しない」と指摘。国際的な科学技術革新協力を支持し、科学技術分野の対外開放を拡大する方針を示した。一方で、技術貿易は他の国際経済・貿易の協力方式と異なるとし、一部の先端技術は国の安全保障や社会の公共利益・公共道徳に何らかの影響を与える可能性があり、リストに組み入れて管理する必要があるとの考えを示した。総体的な国家安全保障観を堅持してこそ、技術分野の対外開放を安定的かつ長期的に進めることができるとも述べた。

今回のリスト調整が企業に与える影響については「技術貿易管理体制の整備はイノベーション型企業の長期的利益と根本的利益に合致する」とし、影響を受ける可能性のあるイノベーション型企業については、政府部門も関連許可手続きの円滑化やイノベーション奨励策を通じて支持していくとの見解を示した。

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