経済
高速鉄道時代の鈍行列車、春運の現場を取材
        
2019-02-11 06:22 | 中国網

  高速鉄道時代に向かい邁進するなか、中国では今も81の路線で緑色の鈍行列車が走っている。高速鉄道とバスが届きにくい過疎地の山間部を走り、沿線の人々に貧困脱却と小康、民族の進歩の希望をもたらしている。

  過疎地の山間部に不可欠な生命線

  6272列車が小興安嶺の最高峰、烏伊嶺に午後9時に到着すると、窓外の気温はすでに氷点下30度以下に下がっている。ボイラー工の田志さん(46)はシャベルで石炭を追加しながら、下の燃え殻を取り除く。車内の気温を維持し、旅客に熱湯を提供するため、田さんは休憩も取れないほどだ。「ボイラーは一時も止めてはならない。さもなければ乗客は寒くて耐えられなくなるだろう」

  小興安嶺の奥深くの森林で暮らす100万人以上の労働者にとって、この40年以上に渡り運行している鈍行列車は、山の外に出るための最も重要な交通手段だ。営林事務に従事する張文涛さん(56)は「冬は列車の方が安全だ。全長410キロの鉄道でも乗車料金は最高25.5元のみだ。この列車は人々から、我が家の列車を呼ばれている」と話した。

  車内が市場に

  秦巴集中連片特困地区を走る8361列車の緑の車体には、「郷村集貿市場」と書かれており目に付きやすい。この「市場」の片側はカゴや大きな荷物を置く場所で、もう片側が農産物エリアになっている。分厚いステンレスのテーブルがきれいに拭かれている。市場の両端には情報ボードがあり、売買の需要のある乗客は無料でメッセージを残すことができる。

  中国鉄路西安局集団有限公司客運処の王建林処長によると、この片道117キロの列車は14年連続で一般旅客に開放されている。乗車料金は最低1元で、7.5キロ移動できる。沿線の山間部住民から、親しみを込めて「幸福郷村号」と呼ばれている。

  レールの音は民族の進歩の足音

  大涼山を走る鈍行列車で、涼山イ族自治州喜徳県の15歳の女性、阿牛烏呷さんはイヤホンをつけ、携帯電話で英語を学習していた。「重慶市の火鍋は美味しいです。重慶大学に進学したいと思います」彼女は記者からの質問に飾り気なく答えた。「家の3人姉妹も学生で、進学を目指している大学があります。両親は上海の建設現場で働いており、私たちの学習を応援してくれます」

  鉄道の沿線の粗末な家屋に20年も暮らしている吉克瓦則さんは、今年3月に面積60平方メートルの移住者用の新居に引っ越す予定だ。記者が2年前に取材した時と比べ、吉克瓦則さんの家には豚が4頭増えていた。息子も今年、中等実業学校を卒業する。

  幼稚園で教員を務めている娘の吉克阿呷さんは「玄関前のこの鉄道によって、父は私たち姉弟を学校に送ることができます。私たちは前の世代よりも良いチャンスを手にしています」と話した。

  「昔は考えられなかったことだ」5633列車が停車する沙馬拉達駅の王志剛駅長は、「イ族は昔、娘をほとんど通学させなかった。今や鉄道沿線の住民は、子供をこの鈍行列車に乗せ、より条件の整った場所で学習させようとしている。貧困脱却の攻略戦の展開に伴い、車内で酔っぱらい喧嘩をするといった非文明的な行為も昔より減ってきた」と述べた。

  「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月9日

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