経済
記者殺害事件がサウジ経済に打撃?
        
2018-10-26 13:44 | 人民網日本語版

サウジアラビア人記者のアジャマル・カショギ氏がトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館で殺害された事件がきっかけで、これまで同盟関係を築いてきたサウジと米国の関係の雲行きがにわかに怪しくなってきている。米国がサウジに対して制裁を実施するという憶測に対して、サウジ側は強く反発し、原油資産を「政治的武器」として利用することを示唆する声明まで出した。しかし、サウジ経済は米国からの圧力に耐えられるほどの力はないとの分析もある。環球時報が伝えた。

米国への依存度が高いサウジ経済

サウジ紙「Arab News」は、サウジ投資総局(SAGIA)が発表している統計によると、今年2月における米国からのサウジ向け投資は総額550億ドル(1ドルは約112円)以上で、企業数は373社と報じた。その内訳はサービス業や工業、不動産、テクノロジー、技術、芸術、サウジ政府から短期的に授権された他の分野をカバーしている。なかでも最も重要なのが工業で、95プロジェクトに計510億ドルが投じられている。サービス業は245プロジェクトで、計30億ドルが投じられている。

報道によると、サウジと米国の貿易関係は早く1930年にはすでに始まっていた。1931年、米国が初めてサウジの石油を輸入することを協議し、サウジの王室も同年、米国がサウジで石油採掘を行うことを認めた。それにより、サウジが米国に石油を輸出し、米国がサウジに工業製品を供給する両国間貿易のスタイルが築かれた。米国の公式統計によると、2017年、サウジ米国間の貿易総額は352億ドルで、うち米国の対サウジ輸出が163億ドル、サウジの対米国輸出が189億ドルだ。また、サウジの対米国輸出の90%が石油であるのに対して、米国の対サウジ輸出は主に自動車や航空機、兵器などの工業製品となっている。このように米国兵器産業にとってサウジは最大の買い手であるといえる。サウジのアナリストは取材に対して、「サウジと米国両国は過去数十年、互いに強く依存しあう貿易関係を築いてきた。そのため記者が殺害されたことで、この関係に簡単にひびが入ることはない」との見方を示した。

サウジに対する外資の信頼失墜か

しかし米CNNの報道によると、サウジの記者が殺害された事件がサウジに与える最大のダメージは、外資がサウジに対する信頼を失うことだとしている。外資を積極的に誘致し、サウジ経済のモデル転換を促進するムハンマド・ビン・サルマン皇太子にとっても、これは大きな打撃となる。17年、サウジへの外国からの直接投資は14億ドルと、すでにここ14年で最低水準にまで減少している。

23日から25日にかけてサウジで開催された年次投資フォーラム「未来投資イニシアチブ」への参加を、外国企業の役員数人が拒否する事態が生じている。同フォーラムは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が「砂漠のダボス会議」と見なし、大々的にPRしている。すでに欠席を表明しているのは、JPモルガン・チェース、ウーバー、マスターカード、ブラックストーン・グループなどの最高経営責任者(CEO)のほか、サウジ政府の重要な協力パートナーであるソフトバンクの孫正義会長兼社長も欠席するのではないかと伝えられている。

外資系大手企業もサウジの王室と密切な関係を築いてきた。サウジ政府系の公共投資ファンドPIFはウーバーに35億ドル投資している。ブラックストーン・グループは昨年、サウジに200億ドルを投じて新しい投資ファンドを設立した。ソフトバンクの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(運用資金1000億ドル)には、サウジ政府系ファンドが450億ドルを出資しており、最大の株主となっている。

「人民網日本語版」2018年10月26日

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