中国
スマートホームが急成長 一般家庭まで浸透へ
        
2019-09-23 17:19 | チャイナネット

  ドアを開けると照明が灯り、スピーカーから心地良い音楽が流れる。夕方になればカーテンがゆっくり閉じ、炊飯器が時間通りに湯気を立ち始める……。先日行われた中国国際スマート産業博覧会およびベルリン国際コンシューマ・エレクトロニクス展で、最も盛り上がった話題はスマートホームだった。注目されたものの中には、中国ブランド製品も少なくなかった。

 

 

 スマートホーム製品は現在、一般家庭まで浸透し始めている。中国のスマートホーム製品はますます消費者に認められてきており、それは海外にまで広がりつつある。

 

 

 スマートロック、スマート化粧鏡、スマートオーブン……。あるデータによると、中国のスマートホーム市場における出荷数は2018年に1.5億台で、前年比35.9%増だった。65億ドル超の市場規模だが、市場浸透率はわずか4.9%に過ぎない。2018年の世界スマートホーム市場規模は766億ドルだが、2024年には1514億ドルに膨らむ見通しだ。国内外問わずスマートホーム市場のポテンシャルは非常に高い。

 

 

 スマートホームの各製品が消費者の憧れになっているのは確かだ。だが、避けられない問題にも直面している。その1つが「複雑化」だ。あるネットユーザーは、「あるスマートホーム製品はいくつかのボタンを押すだけでOKではあるものの、必ずアプリをダウンロードしなければならない。スマホにインストールした後も、アプリの中から必要な機能を探し出すのが至難の業だ」と愚痴をこぼす。またある人は、「冷蔵庫の主な用途は食品の保存にある。しかしスマート冷蔵庫は無駄にモニター付きを売りにしているだけ」と言っている。

 

 

 中国建築装飾協会情報科技委員会の孫暁勇秘書長は、「本当のスマート冷蔵庫なら、卵が入れられて何日間経過していて、何個あって、いつ賞味期限なのかを知らせてくれるはずだ」と述べる。スマートホームの「思想」と、データ分析能力を持つ製品こそ、「スマート」の冠を付けることができるのだ。スマートホームの「思想」とは、データ分析を通じてユーザーのニーズを把握すると共に、それを満たす方法を考え、実際に満足させることだ。

 

 

 それ以外に、基準と規定が様々なことも、スマートホーム製品の普及と使用の妨げている。たとえばインストールすべきアプリが企業ごとに異なる。また、接続もWifiかBluetoothに分かれる。製品ごとに異なるアプリを使わないといけないとなると、スマートホーム製品の操作はさらに面倒になる。そのため、スマートホーム業界の規範化、標準化は避けられない流れとなる。

 

 

 業界筋は、「これまでの消費者は衝動的にコンセプチュアルなスマート製品を買っていたが、今の消費者はより理性的になっており、実用的な製品を買う傾向にある。スマート製品と名乗りながらユーザー体験が悪く、つながる製品に限りがあり、価格が高いなら、購入することはないだろう」と語る。

 

 

 恒潔集団の幹部は、「企業にとって強い生産能力と研究開発能力は“ハードパワー”であり、革新的営業手段とブランド力は“ソフトパワー”である。これらの組み合わせがあってこそ強い企業になれる」と述べる。「これまで中国消費者は日本に行って温水洗浄便座を買っていたが、彼らの多くはそれが中国生産であることを知らない。ブランドの重要性を示す良い例だ。今年のニューヨークのファッションウィークで我々は、中国風格のバスルームをファッションデザインに組み入れた。枠を超えた方法で製品の国際的知名度を高めようと考えたのだ」と語る。

 

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年9月21日

 

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