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【CRI時評】中国資本市場が双方向開放の鍵となる一歩を踏み出す
        
2019-06-18 17:44 | CRI

 

  上海・ロンドン株式相互接続メカニズム(漢字表記略称は「滬倫通」)の運用が17日、ロンドンで正式に始まった。4年近い準備期間を経て始まったこのメカニズムは、中国の市場が双方向の開放を実現するための重要な取り組みだ。同メカニズムは中英両国の資本市場の発展に有益であり、その革新的制度は、中国の資本市場の開放拡大に対する決意と行動を世界に向けて示すことになった。

  滬倫通の発端は2015年9月に実施された第7回中英経済・財政金融対話にさかのぼる。その中核部分とは、中国資本市場の双方向の開放拡大と、中英双方の条件を満たす企業に対して、預託証券(DR)の方式で相手側市場に上場しての取り引きを認めることだ。

  滬倫通は中国資本市場の改革開放についての積極的な模索であり、中国の投資家と企業には国際市場に乗り出すための新たなパイプを提供する。例えば、中国大陸部の投資家は、ロンドン証券取引所に上場する多くの著名な国際的企業に投資できるようになった。中国A株市場の上場企業は海外株式預託証書(GDR)を発行する方式で、ロンドン証取での取引を通じて資金調達ができる。ロンドン証取で取引をする機関投資家は非常に成熟しているので、中国企業は安定した国外の資金調達元を手にすることになった。

 

  中国の資本市場の発展という視点からすれば、滬倫通は上海証取とロンドン証取を連結させるので、中国の資本市場の基礎的な制度は絶えず国際的に成熟した市場をベンチマークとして、自らの国際競争力を高ためていくことになる。例えば、上海証取はロンドン証取という成熟した資本市場の監督管理制度や経験を学び、A株の国際化の水準を絶えず向上させていくことになる。滬倫通は同時に、中国と他国の資本市場の連携のモデルとしての効果を発揮し、中国大陸部の資本市場の対外開放を加速させることになる。例えば、中国と「一帯一路」沿線国家の資本市場の相互連携と相互接続については、滬倫通の経験を学ぶことができる。

  滬倫通の始動は、国際的投資家と英国の資本市場にとっても、同様に重要だ。中国の上海証取に上場している優良銘柄は数多い。中国大陸部外の投資家は、それらの優秀な中国企業に直接投資し、企業の成長によりもたらされる利益を得ることができる。それと同時に、「EU離脱」問題を抱える英国にとって滬倫通は、ロンドン証取の欧州第一の証券取引所の地位と、さらにはロンドンの国際金融の中心としての地位を揺るぎないものにするために、特殊な意義を持つ。

  滬倫通の運用が始まったその日、第10回中英経済・財政金融対話がロンドンで実施された。双方は、マクロ経済の情勢やグローバル経済のガバナンス、貿易や投資、大型プロジェクトの協力、金融分野の協力、戦略性及び新分野での協力などの議題を討論した。滬倫通の運用開始によって中英の金融分野での協力がさらに深められ、「中英黄金時代」の一層のグレードアップにもつながるだろうと見られている。(CRI論説員)

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