中国
原油価格下落が日本の対外貿易に圧力
        
2016-10-27 21:09 | http://j.people.com.cn/n3/2016/1024/c94476-9131709.html

  日本の財務省が24日に明らかにしたデータによると、日本では今年8月の輸出が前年同期比9.6%減少したのに続き、9月の輸出も同6.9%減少して5兆9684億円になり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4983億円の黒字だった。

  ▽輸出減少ペースが鈍化 

  日本の貿易データをみると9月は8月より目立って好転し、26カ月間続いた赤字が黒字に転換しさえした。

  中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲補佐研究員は、「9月の日本の貿易は黒字を達成し、2011年の東日本大震災前の水準を回復した。黒字データをみると、日本経済は表面的には確かに好転の様相を呈している」と指摘する。

  劉補佐研究員の見方によると、「この背後にはいくつかの主な要因がある。まず、国際原油価格の下落だ。データをみると、日本の9月の原油、液化天然ガスなどの輸入額は減少し、中でも原油は同28.6%減少した。原油輸入は日本の輸入支出の大きな部分を占め、これが下落したことによって、原油関連製品の輸入額が占める割合も大幅に低下した」という。

  劉補佐研究員は続ける。「次に、日本の9月の輸出が同9.9%減少したことも貿易黒字を生み出した原因の一つだ。この2点が映し出すのは、国際原油価格の下落が日本の貿易構造の調整にはプラスで、日本の国際収支にかかる圧力を大幅に緩和したということだ。またグローバル貿易がそろって落ち込む状況を反映してもいる」。

  ここからわかるのは、日本の貿易は9月も輸出入がともに減少する傾向が続いたことだ。2016年度上半期(4~9月)の貿易統計データをみると、輸出額は同9.9%減少して、2009年上半期の同36.4%減少以降、ほぼ7年ぶりの大きな減少幅となり、アジアと米国への輸出が大幅に減少し、持続的な輸出減少となった。9月の日本の輸入額は5兆4700億円で同16.3%減少し、21カ月連続でマイナス成長となり、減少幅は8月の17.2%をやや下回った。

  輸出の減少は鈍化したが、情勢は依然として悲観的だ。輸出先の国・地域をみると、日本の9月の対米輸出は同8.7%減少し、7カ月連続で減少した。対中輸出は同10.6%減少して7カ月連続の減少、対アジア輸出は同8.4%減少して12カ月連続の減少だった。

  日本の各方面の分析によると、これは主にグローバル経済の低迷と関係がある。劉補佐研究員は、「グローバル貿易の低迷は、目下、世界各国の貿易が直面する共通の問題の1つに過ぎない。また日本の自動車産業の生産ラインは大部分が海外に移転し、日本国内の生産構造が調整されたことも重要な原因だ」と指摘する。

  ▽海外M&Aで利益 

  日本は10月の製造業購買担当者指数(PMI)も発表した。10月は51.7で、9カ月ぶりの高い水準となった。

  野村證券金融経済研究所の桑原真樹シニアエコノミストは、「最新のデータにより、日本の輸出が好転し始めたことが確かめられた。世界の製造業の活動が回復しつつある」と指摘した上で、「7~9月には、日本の実行ベース輸出額は前期比1%増加した。これは日本の第3四半期(7-9月)の経済成長にとって積極的なシグナルだ。年内に日本経済は徐々に回復し、輸出増加率は回復するとみられる」と述べた。

  だがこうした見方に懸念を抱く人は多い。財務省の関係者は、「日本は石油の輸入に大きく依存しており、原油価格が昨年秋の水準に戻りつつあるので、財務省による安価な石油価格のコントロールが日本の輸入に与える影響はまだしばらく続く見込みだ」と話す。

  今年度上半期、原油価格は円建てで35.5%低下し、貿易黒字の実現に重要な役割を果たした。だが石油輸出国機構(OPEC)が生産制限で合意したため、原油価格は上昇軌道に入るとみられる。

  しかし劉補佐研究員は次のような見方を示す。「現在、グローバル経済環境は低迷が続いているが、日本も経済構造の調整を進めており、このほど日本が発表したデータにはあるシグナルが隠されている。貿易収支と経常収支が黒字になり、ここから日本企業がここ数年の国際貿易投資の低迷した状況の中で、対外合併買収(M&A)を盛んに進め、特に金融業、製造業、設備製造業でM&A活動が非常に活発だったことがわかる。2013年以降、日本の財務省が対外的に発表するデータからわかるように、日本企業が海外投資で得た収益の回流する数量が大きくなっている。これは日本が経済構造の調整を経て、これまでの製造業を中心とした貿易構造から資本投資を中心とした国際収支構造へと徐々に転換していることを物語るものだ。日本企業の資金回収額は大きく、資本国への転換という日本の戦略はある程度成功したといえる」。

   

   

   

   

   

    (インターンシップ 赵铭铭 孙逸宸) 

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